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一年目のプリンセス~前編~



ヤマもオチもない妄想エピソード。Ameba一周年ということで作りました。
アランとプリンセスが出会って一年後くらいの、とある日常。
前後二話に分けてます

Blue sky styleのnadegata様の作られるストーリー性のあるポーズが大好きで、
こちらを使わせていただきたいがために、思いついたお話です。



動画のほうでも、多くの素敵poseをお借りしています!
nadegata様、本当にありがとうございます



一年目のプリンセス ~前編~

※プリンセスの名前は『マリア』です。Laylaが勝手に創作したアランの叔父さんが出てきます。アラン目線。

プリンセスの就任一周年記念式典を無事に終えてからも、国内外から公式に招かれ、接待される日々が続いていた。

今日もマリアはプリンセスとして、国境近くの領主の館で催されたパーティーに出席していたが、アランは外せない騎士団の任務のために同行することが出来ず、城に残っていた。

深夜になって自室に戻ったアランは、「至急、プリンセスの部屋へ」との、ユーリからの急な呼び出しを受けた。

戻るのは明朝になるかもしれないと聞いていたので、マリアの早い帰城に、顔が見れるという嬉しい気持ちと、急な呼び出しに、何かトラブルでも起きたのでは、という不安が入り混じる。

プリンセスの部屋に到着すると、ホッと安堵した様子のユーリの向こうに、ドレス姿のままソファに腰掛けるマリアの姿が見えた。

「アラン…」
マリアはアランを見ると、ソファに座ったまま、瞳を輝かせて微笑んだが、その所作はどこか緩慢だった。

「アラン様の手が空いてて良かった。マリア様、パーティーで少しお酒を飲みすぎちゃって。
今夜一晩ついてて貰おうと思って。」

「は?なんで俺が…」

「ずいぶん酔いはさめたけど、何かあったとき女官やメイドじゃマリア様を運んだりできないでしょ。僕がついててもいいんだけど、アラン様のほうが適任かと思って。」

マリアは酒に弱く、酒席ではいつもアランやユーリが気を配るということもあり、ほとんど口にしたことがないので、したがって、「酒に酔う」などということもこれまで一度もなかった。

「…誰かに無理やり飲まされたのか?」
アランの瞳が剣呑に光る。

「そうじゃないよ。実は今日のパーティーに、エドワード=クロフォード様がいらしてて。」

「エド叔父上が…」

エドワードは亡き父の末の弟で、有名な船乗りだ。若い頃からウィスタリア国内にいることはほとんどなかったが、野性的な魅力のある豪快な男で、子供の頃、異国の珍しい土産物を貰ったり、冒険談を聞くのが楽しみで、この叔父に会えるのを何より心待ちにしていたものだった。

アランが騎士になることを決めたとき、誰より喜んでくれたのも彼だった。

「ウィスタリアにいたのか…会いたかったな…」

「今晩中には南へ発つとおっしゃってたよ。プリンセスの顔を一目見たくてパーティーにかけつけてくださったって。で、プリンセスはエドワード様とすっかり話が盛り上がって、お酒がすすんじゃったみたいだね。あんまり楽しそうだったから、僕も止めにくくて、ごめん。」

「いや…」

アランがマリアをチラリと見ると、マリアはばつが悪そうに視線を外してしまった。

まぁ…話し上手で酒豪のエド叔父上と同席したら、そうなるか。

(目に浮かぶな…)

「アラン様は婚約者だし、酔ったプリンセスに無体なことはしないだろうし。ジル様には内緒で。」

「…わかった」

(今夜はもう仕事はないし、こいつの寝顔を見守りながら過ごすのもいいか)

「じゃあ、アラン様、よろしく。」

用意したマリアの夜着の場所をアランに伝え、「おやすみなさい、プリンセス。」
とお辞儀をして部屋を出ていこうとするユーリに、マリアはようやくソファからゆっくりと立ち上がり、

「おやすみ、ユーリ。今日も一日ありがとう。心配させてごめんなさい…」
と、頭を下げて見送った。




二人きりになると、急に部屋が静かになった。

「お前、今日は無口だな。」

(なんだか、調子狂うな)

マリアに近づき、そっと肩を抱いて顔をのぞきこむと、いつもよりわずかに上気した頬が確認出来た。




「迷惑かけてごめんなさい…アラン。」

「説教は後だ。具合は悪くないか?水とか、欲しいものは?」

「ううん、なにもいらない。」

何が、とはうまく言えないが、いつもと様子が違う。

(酒のせいか…?)

「じゃあ、もう寝ろ。明日も午後から公務が忙しいんだろ。一人で着替えられるな?」

「うん、大丈夫……アラン、今夜、ずっといてくれるの?」

「どうやら、放っとけない様子だしな。いてやるから、安心して休めよ。」

「ありがとう…アラン。でも…あの…、お、お風呂に入ってきてもいい?」




「まだフラフラしてるみてぇだけど、大丈夫なのかよ?」

「うん…大丈夫だから…」

(今日は馬車の移動が長かったから風呂に入ったほうがさっぱりするし、酔いもさめるし…まぁ、いいか。)




寝室つづきのバスルームにマリアが入っていくのを見届けると、しばらくしてシャワーの音が聞こえてきた。

(さすがに中で見張るわけにいかないからな、ここで待機するか)

扉の向こうでマリアが入浴している状況に、少し落ち着かない気分になりながらも、

「…ったく、最近、ようやくプリンセスらしくなってきたと思ったら、これだ。」

「本当に目が離せねぇな。」
と、苦笑する。

そして、このところの殺人的なスケジュールに文句ひとつ言わず、にこやかに公務に勤しむ健気なマリアの姿を思い浮かべ、考えていた。

「そろそろジルに頼んで休日、作ってもらうか。そしたら、少し酒の飲み方教えて、羽目を外させてやってもいいかもな。」




やがてシャワー音が止まったが、マリアが出てくる気配はない。それどころか、物音がほとんどしてこないことに、アランは焦りはじめ、声をかけた。

「おい、まさかシャワールームで溺れてねぇよな?」

が、返事はない。




「入るぞ。」

事態に本気で焦りを感じたアランは、バスルームの扉を勢いよく開く。




「…おいっ!?」

アランがバスルームに入ると、素肌にタオルを巻いただけの姿のマリアが足元をフラつかせながらアランに駆け寄り、腕の中に倒れ込んできた。




「大丈夫か!?」

目のやり場に困りながらも、背中をさすり、様子をうかがう。

「やっぱり、どこか具合が悪いのか!?」




「あのね、今日、アランの叔父さまの、エドワード様にお会いしたの。」

「ああ、らしいな。」

マリアの的を得ない回答に面食らいながらも、アランは応えた。

「とっても素敵な方で、楽しいお話をたくさん聞かせていただいて…」

「俺もあの人が好きだ。お前とどんな話をしたのか聞きてえけど、また明日な。
今夜はもう遅いから、早く着替えて……っ!?」

言い終わらないうちに、マリアが全身の力をこめてアランを押し倒した。




水滴のついた肌にタオル一枚、という無防備な姿のマリアが、浴室の床に手をついたアランの上に乗っていた。

(こいつ…)

いつもは、ちょっと肌を見せるくらいで恥ずかしがって、「見ないで」だの「灯り消して」だの、ぎゃあぎゃあうるせぇくせに…

(…なんだ?なんなんだ!?!)

マリアは、何か言いたげに酔いの残る潤んだ瞳をさ迷わせている。

「……お前、本当に今日は変だな。一体、何があったんだよ?」

努めて平静を装いながら、先ほどよりさらに上気したマリアの頬をそっとなで、問いかける。

その不可解な行動に動揺しながらも、体の具合は悪そうではないことにアランは安堵し、俯くマリアの顔を優しく上向かせて、言った。

「言ってみろ、聞いてやるから。」

後編につづく~

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